同窓会〜ラブ・アゲイン症候群
[第9話]
06/17放送

大久保(三上博史)に連絡をしてきた失踪中の福島(尾美としのり)は、ついに失踪の真実を公にすることを決意する。大久保はテレビニュースでの独占会見をセッティングし、福島をテレビ局に送り届けるが、会見番組が開始する直前に意識を失い、そのまま病院へ搬送されてしまう。大久保が搬送されたことを知った陽子(斉藤由貴)はすぐに病院へと向かう。

失踪の真実は――国交大臣と大手企業の癒着を告発しようとした福島は、職場で孤立、妻にも離婚を切り出される。そして企業側から悪質な嫌がらせを受けた。身の危険を感じた福島は、同窓会後の夜、死のうとするが、それを真理子(宮地雅子)に助けられたというものだった。

杉山(高橋克典)と朋美(黒木瞳)は“福島の会見”を、逃避行中に車のラジオで聞いた。その後、大久保が運ばれた病院へと向かう。病院には、大久保の妻・麻美(芳本美代子)と陽子がいた。そんななか、大久保が眼を覚ました。「奇跡が起きたのか?」と尋ねる大久保。そんな大久保に主治医の富士子(高橋ひとみ)は、笑顔でうなずくのだった…。

朋美と杉山はそれぞれの家に戻ることにする。そして家族と向きあった。しかし、朋美の夫・誠一郎(吹越満)は、「好きにすればいい」というものの「絶対に離婚しない」と言い放った。一方、妻・佳奈子も現実を受け入れるのを拒んでいた。

陽子は元夫・正隆(神保悟志)と愛人・早苗(野波麻帆)に、娘・真奈(熊田聖亜)を返した。

大久保の一時退院許可が出た日、同窓生7人は廃校が決まった中学校に集まった。中学生の当時を懐かしむ7人。福島が「もう死ぬことは考えない」と告白する。7人の中で唯一同窓会後も人生が変わっていないと嘆く亀村(六角精児)…。その後、7人はそれぞれの生活に戻って行った。

――7日後。大久保は机上にうつ伏せたまま気を失い、息を引き取った。

大久保の葬式で気丈に振舞う陽子。弔問に訪れた朋美や杉山にも、「同窓会があって良かった」と笑顔を見せた。彼女の首元には、かつて大久保が愛用していたスカーフが巻かれていた。

陽子と別れた後、朋美と杉山は別れる決断を下す。そして、もし一緒になれることが許されたら「1年後に同じ時間に同じ場所で会おう」と約束する。「1年後が無理なら2年後。2年後が無理なら3年後…、ここで会えた時が一緒になるときだ」という杉山の言葉に朋美は頷いた。そして2人はそれぞれの家庭へと戻って行った。

大久保の家で、彼の荷物を片づけていた陽子は、大久保が遺した未発表の原稿を見つける。タイトルは「ラブ・アゲイン症候群についての考察 ―― なぜ人は愛を求めるのか?」というもの。それを読んだ陽子は、一人泣くのだった。

――数年後。朋美は杉山と約束した場所へ向かうが、そこに杉山の姿はなかった。その時、遠くからこちらにくる人影が…。それは、杉山だった。

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キャスト
宮沢朋美 / 黒木瞳(くろきひとみ)
主婦。旧姓は愛川。

川崎市内の賃貸マンションに、失業中の夫・誠一郎、中学3年の長女、小学5年の長男と4人暮らし。
生活費を稼ぐため、大学病院の職員食堂でパートとして働いている。

中学時代はチアリーダーとして活躍、男子からの人気も高かった。
当時、杉山(高橋)とは相思相愛だったが、照れ屋で不器用な2人はなんとか互いの思いを伝えあっただけでつきあうこともなく、そのまま別離していた。

同窓会での再会をきっかけに、優等生・朋美の人生に異変が起きていく。
杉山浩介 / 高橋克典(たかはしかつのり)
警視庁捜査4課(「マル暴」担当)の刑事。
公務員宿舎に、専業主婦の妻・佳奈子、中学3年の長男・大地と暮らしている。

多忙な職務のため、家庭を顧みている時間はほとんどない。
家族サービスをしようと思っても約束を果たせないことが多く、妻から非難されてばかり。

仕事の現場では強面の暴力団連中に引けを取らない迫力で立ち向かっている。
不器用な性格で妻には反論もできず、ましてや朋美の前ではぎこちなくなってしまう。
西川陽子 / 斉藤由貴(さいとうゆき)
専業主婦。旧姓・権藤。
六本木ヒルズのタワーマンションに暮らしている。
夫・正隆はスタイリッシュな店舗展開で成功している外食グループのオーナー。

中学時代は勉強ひと筋の地味な少女でチャラチャラしたグループを嫌悪しており、特に軽薄な男子・大久保のことは大嫌いだった。

朋美とは家が近いこともあり仲がよかったが、ひがみっぽい陽子にとって、男子に人気のある朋美は嫉妬をあおる存在でもあった。
そして陽子もひそかに杉山に好意を抱いていた…。

猛勉強して私立の雄といわれる大学に進学してから陽子は変わり、以来、勝ち組の優越感に浸ってきた。
だが、夫が浮気相手に生ませた6歳の娘・真奈を育てていることは誰にも言えないでいる。
大久保真一 / 三上博史(みかみひろし)
大手新聞社発行の週刊誌デスク。
ハイセンスな部屋で優雅に暮らすバツイチ独身貴族。

有能な編集者で、女にモテ、何ひとつ不自由はないはずだが、説明のつかない物足りなさを感じている。
だが、そんな内面を知る人はおらず、周囲からは“かっこいいけど軽薄な男”だと思われている。

中学時代から、会話が面白い真一のまわりには女子の取り巻きが多く、二股三股は日常茶飯事。
一方で地味な女子からは敵視され、特に陽子は天敵だった。

今、45歳を迎えた彼の体は、深刻な病魔に冒されていたが、そのことを誰にも打ち明けられずにいた。
同窓会には、国土交通省勤務の元同級生・福島から大臣の収賄疑惑にまつわる情報を聞き出すために出席したのだが、中学時代、恋心を抱いていた朋美と再会して…。


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