キイナ〜不可能犯罪捜査官〜
[第5話]
02/18放送

ストレス性の胃腸炎を起こしてタケル(平岡祐太)が入院した。その夜、タケルがトイレに行った帰り、502号室の前でうめき声を聞く。空耳だと自分に言い聞かせながら、慌てて自分のベッドがある501号室に戻るタケル。

翌日、キイナ(菅野美穂)と桜(小池栄子)が見舞いに病院を訪れた。病院のベッドに横たわるタケルは思いのほか元気で、安心する2人。そんなタケルは、昨晩、身の上に起こった出来事をキイナ達に話し始めた。さらに、この病院では前々から幽霊が出るという噂があるとタケルは言う。502号室もその部屋に患者さんが突然死してから、幽霊が出るという噂が流れていた…。

「お見舞いに来たんじゃないのよ」というキイナたちは、タケルに捜査報告書を手渡し、間違えを修正するように伝えた。

その様子を見て“警察関係者”だと気づいた看護師・小久保美由紀(浅見れいな)はタケルのベッドに近づいてくる。キイナは、彼女が「何かを話したそう」だと感じた。しかし、廊下から医師・宮下(吹越満)に呼ばれ、何も告げずに去っていった。
廊下で美由紀は、宮下医師からの指示を忘れないよう小さな手帳にメモしている…。

やっと報告書を書き終え、報告書を手渡すころには、あたりはすっかり暗くなっていた。1階でエレベーターに乗ったタケルは5階のボタンを押したはずが、なぜかエレベーターは地下へ。5階かと思ってエレベーターを降りたタケルは、霊安室の前でお経を唱えるような声を耳にし、慌てて5階へと戻るのだった。

タケルが病室・502号室の前を通ったとき、女性声で「来ないで!」と聞こえた。そこで、タケルはそばを通り掛かった看護師にドアを開けてもらい502号室に入る。
502号室は窓が開いていた。タケルが駆け寄ると女性が転落している。そこに駆けつけた医師・宮下(吹越満)も一緒に確認した。

死亡したのは看護師・美由紀だった。検視の結果からは僅かながら他殺を示す痕跡も見つかったが、他殺と断定できるほどのものではなかった。周囲の証言から自殺の線も強まる。

しかし、キイナは同僚看護師たちが「明るくて患者さんからも慕われている美由紀が自殺するとは考えられない」と証言していることが気になり捜査を始める。するとこの病院には、夜、電動車椅子が勝手に動き出したり、誰もいないのに肩を捕まれたり、鏡越しに背後に幽霊を見たなど、様々な心霊現象が起きていることがわかる。

そんな中、桜が奇妙な事に気づく。この病院の幽霊話がネットの掲示板に頻繁に書き込まれているというのだ。そのうえ、502号室の患者が亡くなった夜と美由紀が病院から転落した夜に、同一の人物が「これは幽霊の仕業だ…」と書き込んでいた。この人物は、ここの病院の“幽霊の噂”を頻繁に書き込んでいた。どうやら「病院で幽霊が出る」と噂が流れるようになったのは、この書き込みが原因らしい…。

怪しく思ったキイナは、書き込んだ本人を割り出すよう桜に依頼する。そして、幽霊や心霊現象についての文献を集めると、一気に自分の頭にスキャンしていくのだった…。

「…見つけた!」キイナはそうつぶやくと真一郎(塚地武雅)に協力を依頼する。心霊現象の正体を解き明かしたのだ。

真実はこうだ。502号室で急死した患者さんの死因は、宮下医師の医療ミスによるものだったのだ。看護師の美由紀は、事実を隠蔽するために宮下医師に協力を頼まれ手を貸すものの、両親の呵責に耐えかねて告発すると言い出したのだった。キイナたちが警察関係者だとわかったとき、何か言いたそうだったのはその事だったのだ。

ところが、美由紀の気持ちを知った宮下医師は、美由紀を自殺に見せかけて502号室の窓から突き落とす。そして、それがあたかも幽霊の仕業と見せかけるために、インターネットサイトの掲示板を利用して“病院の幽霊の噂”を流していたのだった…。

すべては、自分の罪を隠すため…。


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キャスト
春瀬キイナ / 菅野美穂(かんのみほ)
警視庁捜査一課強行犯係の中で特別班に所属している捜査官。
捜査においては被害者の思いを大事にしており、その思いが不可能犯罪を解決する糸口につながることが多い。
事件に対するひらめきに関しては誰にも負けない自信を持っている。
新人刑事の尊とは事件捜査の相棒として動いている。
山崎尊 / 平岡祐太(ひらおかゆうた)
新人刑事でありながら捜査一課のエリート街道まっしぐらな男。特別班に所属していることから不可解な事件を任されることが多く、表には出さないもののかなりビビッているというのが本心。
相棒のキイナの才能は認めており、口には出さないが絶対的な信頼を置いている。
工藤真一郎 / 塚地武雅(つかじむが)
科学捜査研究所で技官として働く男。
その外見の特長は“メタボ”といえば完璧に説明できる。
しかし、キイナの元恋人という有り得ない過去を持ち、別れてからも仕事柄関係のある真一郎は陰ながらキイナのことを応援している。
遠藤桜 / 小池栄子(こいけえいこ)
警視庁捜査一課強行犯係に所属しており、情報管理を担当している。
根っからのアネゴ肌で、同期で親友のキイナの悩みを何でも受け止めてあげる優しい女性。
もちろん情報管理の技術も他に負けないものがある。
御手洗修司 / 草刈正雄(くさかりまさお)
警視庁捜査一課強行犯係で管理官を務めている男。
キイナの才能をいち早く見つけたのもこの男である。
現在は直接捜査に関わることはしないが、実は元刑事であり、
事件に対する捜査は誰よりも優秀だとか。
雅一馬 / 沢村一樹(さわむらいっき)
警視庁捜査一課強行犯係で係長を務めている男。
足を使った捜査で事件を解決に導くことが多い。
キイナの直属の上司にあたり、キイナの奇抜な行動が少し迷惑だと思っている。
捜査一課でエースとして活躍している一馬だが、実は過去のある事件がトラウマとして残っており…。

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