チャップマンが人類最速の171キロを記録! それでもメディアが冷静なワケとは!?

今月19日､米大リーグで驚異の記録が生まれた｡
なんと､レッズのロルディス･チャップマン投手がスピードガン導入以降最速となる106マイル(約171キロ)を記録したのだ｡

偉大な記録の目撃者となったファンは即座にスタンディングオベーション｡
敵味方関係なく大記録を讃えた｡

この日が5日ぶりのマウンドだったチャップマンは試合後､
｢調子は良かった｡でもスピードのことなんて気にしないで投げている｣(スポーツ報知より)
と余裕のコメント｡
ベイカー監督も､
｢彼は休み明け｡106マイルを出しても不思議ではない｣(同)
と平然とした様子で振り返った｡

いまや全米の注目を集める存在となったチャップマンは､キューバ出身の23歳｡
2009年のワールド･ベースボール･クラシックではキューバ代表として活躍したが､同年7月にヨーロッパへ小国アンドラに亡命｡
翌年､6年総額3025万ドル(当時約27億6千万円)でレッズに加入した｡

メジャー1年目の昨季は､9月に大リーグ最速となる105.1マイル(約169キロ)をマーク｡
本人もこの記録には大喜びで､左腕に"燃えるような野球ボールに105.1"と書かれたタトゥーを入れたほど｡
今回の記録更新で新たなタトゥーを検討することになりそうだが､本人にとっては嬉しい悩みといったところだろう｡

しかし､今回の記録に米メディアの反応は驚くほど冷静｡
なぜならチャップマンのボールを106マイルと計測したのは､この日試合が行われたグレートアメリカン･ボールパークだけだったからだ｡

ちなみにテレビ中継の球速表示は｢105マイル｣､大リーグ公式サイトの測定器に至っては｢102.4マイル｣という結果に｡
あまりにも誤差が大きいため公式記録にはならず､参考記録扱いとなる可能性が高いのだという｡

米国では"疑惑のスピード"として注目を集めている今回の記録｡
しかし､チャップマンが100マイル(約161キロ)前後の球速を連発していることは事実｡
今シーズン中にも､正式な形で記録を更新することも夢ではないだろう｡

(2011年4月30日)

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