前阪神･下柳剛､関係者から｢潮時｣との声も引退できないワケ!

先月24日､プロ野球の合同トライアウトが神戸市のほっともっとフィールド神戸で行われた｡
今回は投手37人､捕手2人､内野手9人､外野手11人の計59人が参加｡
中でも存在を示したのが､43歳の大ベテラン､前阪神の下柳剛投手だった｡

参加者最年長となる下柳は12球団の編成担当が見守る中､G･G･佐藤(西武)や中谷(楽天)ら4人を､わずか6球で無安打に抑える好投｡
余裕があったのか､マウンドでは時折笑顔を浮かべる場面もあった｡
トライアウト終了後は､
｢何もないですよ｡お疲れさまです｣(デイリースポーツより)
と多くを語らなかったが､手応えを掴んでいるはずだ｡

しかし､下柳の現役続行に疑問の声もある｡
最多勝を獲得した2005年から4年連続で二ケタ勝利を挙げた下柳だが､2008年オフに右ひざの手術を受けてから成績は年々悪化｡
昨季は7勝､今季は開幕から不調でプロ1年目以来となる白星なしに終わった｡

プライドを捨ててトライアウトに参加していることからも分かるように､本人は現役続行に意欲的だが､某球団関係者は､
｢もう潮時ですよ｣(日刊ゲンダイより)
と下柳の衰えを指摘している｡

｢球速が130キロ台の下柳は､低めの制球力が命｡ボールを微妙に動かし､ひざの高さ辺りでストライク､ボールを出し入れする｡球威がないから､とにかく低めにボールを集めゴロを打たせるスタイルだった｡
ひざの手術をしてから低めの制球力がガクッと落ちた｡ゲームをつくれる投手ではない｣(同)

来季､プロ21年目を迎える下柳であれば､自身の衰えは自覚しているはず｡
それでも現役にこだわるのには､切実な理由があると前出の球団関係者は語る｡

｢下柳は昨年6月､17歳も年下の女房をもらった｡それが今季9000万円の年俸がいきなりゼロでは､来年払う税金の心配もある｡
1年でも2年でも現役を続けたい気持ちはわかる｣(同)

一部では､新球団として新たなスタートを切る横浜が獲得に動くとも報じられているが､現在のところ正式なオファーはなし｡
果たして､下柳は愛する妻のため､再びユニフォームに袖を通すことができるだろうか｡

(2011年12月3日)

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