次代の宝塚歌劇を担う娘役・音花ゆりに注目!

今、音花ゆり(おとはなゆり)というタカラジェンヌに注目が集まっている。

どうして注目が集まっているかというと、彼女の血脈が、まさに舞台の上の花たるものだからだ。

というのも、彼女の実妹は、現在ドラマやCMで活躍している相武紗季(あいぶさき=23)であり、母は同じく62期のタカラジェンヌ。

芸能界最有力女優の姉であり、二代目のタカラジェンヌ。これだけでも話題性は十分なのだが、彼女にはむしろそのような肩書きはいらないのかもしれない。

子どもの頃から宝塚市で過ごし、いつも生活の中には宝塚歌劇があった。元タカラジェンヌの母の影響で、よく家族で宝塚の舞台を見に行っていたそうだ。母の記憶の中では、舞台の幕があがると興奮のあまり、身体が勝手に動いてしまうほど、宝塚の虜となっていたという。

やがて、血が騒いだのか、小学校の高学年から宝塚コドモアテネに通うようになり、歌はもちろんバレエ、日本舞踊などとにかく努力を重ねるようになる。

しかし、周囲の過剰な期待、そしてプレッシャーに押しつぶされないよう、反発をし始めた時期もあった。タカラジェンヌの娘というだけで、宝塚を目指す美徳を押し付けられていた中学時代。舞台には立ちたいものの、宝塚じゃなくてもいいじゃないか……。

そんなある日、友人に誘われて観た久しぶりの宝塚の舞台で、音花を一筋の光が突き抜ける。その光は、歴代タカラジェンヌの中でも往年の名優として名高い、一路真輝その人だった。

一路の迫力ある演技と女性ならではの美しさ、妖しさに衝撃を受け、圧倒される音花。

その出会いが、“母のタカラヅカ”から“自分のタカラヅカ”という意識を彼女に宿したのである。

「母が同じ道を歩いていた先輩だからこその心強さと、身内だからこその容赦のないダメ出し、それこそが二代目ならではのメリットかもしれません」

今まで歩んできた道を振り返り、今は「二代目」という言葉も受け入れられていそうな音花の笑顔には自信と揺らぎない目標が宿っている。

芸能一家にありながら、確固たる信念を持って星組で活躍する音花は、次代の宝塚を担う娘役として、着実に支援者を増やしている。(古田鉄寿)


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