映画「ナルニア国物語」が米国でも日本でも好調なスタートを切っている!!
(05/30)
「ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛」が日本でもヒットしている。
ファンタジーというジャンルは不思議なもので、製作本数はそこそこ多いものの、観客動員に結びつかないことが多い。
最近の例では、「スパイダーウィックの謎」がコケている。
しかし、ナルニアは「さすが」の底力を見せ付けた。
公開初日から5日間でののべ観客動員数は65万人に上り、興行収入は8億円を突破。当然ながら、週間の収入ランキングでは1位を獲得した。
第1章「ライオンと魔女」では、日本の興行収入68億円を記録しており、第2作のヒットが続けば、シリーズものでもプレミアムレベルの作品になる。
米国、日本での相次ぐ好スタートにより、「第3章:朝びらき丸 東の海へ」の製作も確定し、近くクランクインする予定だとか。
だが、不思議なことがある。
ファンタジーというジャンルは、製作本数の多さに比べて、いわゆる「世界的なヒット」に恵まれる作品はそれほどない。もちろん、映画産業の中でシリーズ化をしていくことは、前作の売り上げをしのいでいなければ、次はないのだ。
今回、ファンタジーというきわめて難しいジャンルで2作連続ヒットを放ったナルニアの、成功の秘訣は何なのだろうか?
「ファンタジー映画の多くがヒットしない理由は、全体の世界観ばかり重視し、キャラクターを掘り下げていないから。それに対してナルニアシリーズは、メーンキャラクターの4兄妹を徹底的に描いています。普通の4兄妹がナルニア国で王と女王になるというストーリー設定に対し、彼らの日常生活も、いかに普通の生活を送るか、という環境づくりを同じように徹底しているんです」と、プロデューサーのマーク・ジョンソン氏。
同時に、「シリーズ化する場合は、前作の一連の流れとして製作してはいけない。つまり、単体として仕上げることが絶対条件です。前作を見ていない人や、原作を読んでいない人など、多くの条件の人をどんどん取り込んでいかなくてはいけないし、見た人が満足し、見ていない人は新鮮な気持ちで楽しめるようにするべき」と加えた。
なるほど、キャラの徹底と、観客のことを考えるということなわけだ。
クリエイティブの分野ではどうしてもクリエイターが主導になりがちだが、映画の主役はあくまで「役」であり、それを楽しむのは「観客」なわけであるから、当たり前といえば当たり前のことかもしれない。
しかし、映画ビジネスにおいて、あらゆることに流されずそこを死守するのには大きな勇気が必要なのも確かだ。
ナルニアが、映画の殿堂入りするかどうか、最後まで見届けたいものだ。(古田鉄寿)
ファンタジーというジャンルは不思議なもので、製作本数はそこそこ多いものの、観客動員に結びつかないことが多い。
最近の例では、「スパイダーウィックの謎」がコケている。
しかし、ナルニアは「さすが」の底力を見せ付けた。
公開初日から5日間でののべ観客動員数は65万人に上り、興行収入は8億円を突破。当然ながら、週間の収入ランキングでは1位を獲得した。
第1章「ライオンと魔女」では、日本の興行収入68億円を記録しており、第2作のヒットが続けば、シリーズものでもプレミアムレベルの作品になる。
米国、日本での相次ぐ好スタートにより、「第3章:朝びらき丸 東の海へ」の製作も確定し、近くクランクインする予定だとか。
だが、不思議なことがある。
ファンタジーというジャンルは、製作本数の多さに比べて、いわゆる「世界的なヒット」に恵まれる作品はそれほどない。もちろん、映画産業の中でシリーズ化をしていくことは、前作の売り上げをしのいでいなければ、次はないのだ。
今回、ファンタジーというきわめて難しいジャンルで2作連続ヒットを放ったナルニアの、成功の秘訣は何なのだろうか?
「ファンタジー映画の多くがヒットしない理由は、全体の世界観ばかり重視し、キャラクターを掘り下げていないから。それに対してナルニアシリーズは、メーンキャラクターの4兄妹を徹底的に描いています。普通の4兄妹がナルニア国で王と女王になるというストーリー設定に対し、彼らの日常生活も、いかに普通の生活を送るか、という環境づくりを同じように徹底しているんです」と、プロデューサーのマーク・ジョンソン氏。
同時に、「シリーズ化する場合は、前作の一連の流れとして製作してはいけない。つまり、単体として仕上げることが絶対条件です。前作を見ていない人や、原作を読んでいない人など、多くの条件の人をどんどん取り込んでいかなくてはいけないし、見た人が満足し、見ていない人は新鮮な気持ちで楽しめるようにするべき」と加えた。
なるほど、キャラの徹底と、観客のことを考えるということなわけだ。
クリエイティブの分野ではどうしてもクリエイターが主導になりがちだが、映画の主役はあくまで「役」であり、それを楽しむのは「観客」なわけであるから、当たり前といえば当たり前のことかもしれない。
しかし、映画ビジネスにおいて、あらゆることに流されずそこを死守するのには大きな勇気が必要なのも確かだ。
ナルニアが、映画の殿堂入りするかどうか、最後まで見届けたいものだ。(古田鉄寿)
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