「iPhone」争奪戦は、ソフトバンクに軍配

ドコモか､それともソフトバンクか―。世界的に大ヒットしている､米アップル社の携帯端末「iPhone」の国内独占販売を巡っての争奪戦が決着した。

ソフトバンクモバイルは6月4日､米アップル社の携帯端末「iPhone」を08年内に発売する､と発表した。

iPhoneは米国で07年6月に発売され､アイコンにタッチして操作する独特のデザインなどが人気を呼び､これまでに500万台以上が販売される大ヒット商品となった。

米国以外では､ドイツ､フランスなどで発売されている。独占販売権を獲得できれば､シェア拡大やブランド力強化が期待できるとあって､国内の各携帯電話事業者はiPhoneの発売に興味を示し､これまではNTTドコモから発売されるとの見方が有力だった。

アップル社との合意に至った時期や具体的な発売時期については「ノーコメント」で､「リリースがあること以上お話できることはありません」と口を閉ざしており､国内販売されるiPhoneの実態については謎のままだ。

現在までのところ､iPhoneはGSMという通信方式を採っており､国内に導入の場合は､3G（第3世代）携帯電話の通信方式による端末が新たに開発されると見られている。

ドコモ広報部では「今回の発表は残念」とした上で､「今後の可能性については検討中」とコメントを発表した。

iPhoneの力を借りて､ソフトバンクが携帯電話の勢力図を一気に書き換えるのか…。とはいえ､ドコモ､KDDIがそれを黙って見ていると思えない。何らかの起死回生の策を打つのは明らかだ。まだまだひと波乱ありそうだ。(松野)