名探偵の掟
[第5話]
ここは「軽井沢OL殺人事件」の捜査本部。05/15放送
大河原警部(木村祐一)を中心に会議を行っているなかに、なぜか天下一(松田翔太)が登場する。しかし、会議でこの事件が“時刻表アリバイ崩し”の事件だと知った天下一はいきなり「今回はパス」を大河原警部に伝えるが、大河原警部は「そんな勝手は許さん!」と一喝。仕方なく捜索を開始することにする。
今回の被害者は電機メーカーに勤めるOL・古井カブ子(石川綾子)。別荘地で有名な軽井沢のホテルで絞殺されていた。推定犯行日時は5月10日16〜19時の間。
ホテルのチェックインもフロントの証言でも、連れはいなかったようだ。しかし、気になる点がひとつ。カブ子の部屋の便座が上がっていたことだ。
大河原警部、藤井(香椎由宇)たちは関係者の事情聴取に乗り出した。
そんな中、天下一がいつも愛用している自転車のサドルがキャベツ、ペダルがレンコンと取りかえられてしまう。天下一は藤井や大川原の犯行を怪しむが、2人は「知らない」と主張する。
一方、「軽井沢OL殺人事件」怪しいのは、自らアリバイをペラペラと主張する・蟻場耕作(橋本さとし)だ。
蟻場はカブ子の会社の課長。仕事面で黒い噂がある人物で、警察も内々に捜査を行っていたが証拠が掴めずにいる状態だった。
また、カブ子との関係を口にする人物もいる。とにかく非常に怪しい人物なのだ。
大河原警部、藤井(香椎由宇)は、蟻場に話を聞きに行くと、そこに天下一が血相を変えてやって来る。なんと自転車のハンドルも長ねぎにかえられてしまったというのだ…。
大河原、藤井、天下一が自転車の件で揉めていると、蟻場は自らアリバイを喋りだす。
蟻場はカブ子が殺害された日の21時「大阪のビジネスホテルに泊まっていた」というのだ。
「軽井沢を16時23分発・あさま536号に乗れば東京駅に17時32分に着く。東京を17時40分発・東海道新幹線のぞみ245号に乗れば、大阪駅に20時16分には到着。これなら大阪のホテルに21時にチェックインしても、軽井沢でカブ子を殺害するのは可能だが、自分は16時に東京で仕事をしており、この電車には乗れないから犯行は無理。会社の守衛さんに挨拶をしたから、証明をしてくれるはずだ」と、蟻場は自らのアリバイをキッチリ主張する。
確かに、16時まで東京にいたとなると、どんなルートを使っても21時に大阪のホテルに着くことはできない。
「つまり、私が犯行を行うことは不可能なのです」と、蟻場は自信満々だ。
大河原、藤井、天下一は、己の使命を知っている者だけが入れる「秘密の部屋」へ。
『アリバイ宣言』をする人物が犯人に間違いない。天下一は推理する。あとは、時刻表トリックを解くだけだ…。
新大阪で蟻場が宿泊したと話すホテルに問い合わせてみると、確かに蟻場が21時にホテルにいたことをホテルのボーイが覚えていたのだ。
事件を解決するには、この時刻表トリックを解かねばならない――。
大河原、藤井に背中を押されるように、天下一は蟻場の時刻表トリックを解くために、しぶしぶ旅に出た。しかし、事件とは関係の観光地に寄り道ばかりする天下一。結局、謎が解明できないまま東京へと戻ってくるが――再度、トリックを崩すため旅立つ。
「時刻表…飽きたな」凸駅のホームのベンチでポツリと呟く天下一。気が付くと、天下一の横には蟻場が座っているではないか!?
「貴方に解いてほしいんですよ」蟻場は天下一にそう言うと、一緒にアリバイ崩しの旅に出た。
まず、2人が立ち寄ったのは、軽井沢のソフトクリームショップだ。蟻場は事件当日、このソフトクリームショップに立ち寄ったらしい。店員が蟻場を「面白い人」と覚えていたのだ。2人でソフトクリームを食べていると、天下一の携帯電話に連絡が入る…すると、天下一の顔が、みるみる自信満々の表情に変わった! もしや、時刻表トリックが解けたのか!?
天下一と蟻場は一緒にソフトクリームショップを出る。。
一方、東京に残っている藤井は天下一の心配していた。
「もしかしたら、天下一君の身が危険なのでは?」仮にも蟻場は殺人容疑者だ。
「それもそうだ!」大河原は大慌てで天下一の携帯電話に連絡をする。
すると天下一と蟻場は、なぜか博多にある藤井の実家でお風呂と食事をご馳走になっていた!
それを知った藤井は、急に大河原に背を向けて顔を曇らせる…。
翌日、大河原と藤井は、天下一たちを迎えに行く。
天下一は藤井を見ると、事件の謎解きより先に自転車のサドルとハンドルを野菜にすりかえた犯人を藤井だと言い当てた。天下一はハンドルに発信機を取り付けていたのだ。
藤井は天下一のハンドルとサドルを実家に小包で送った。だから天下一は藤井の実家にいたのだ。
「ごめんなさい…」藤井は天下一に素直に謝った。
次に、天下一は蟻場の主張するアリバイを崩してみせるが、その推理は相当無理があった。
しかし、大河原はいつもごとく、強引に天下一の推理を納得する。
ヘンテコ刑事とオモシロ探偵――3人のやり取りを見ていた蟻場は「どうすれば、君たちのように面白くなれるんだ!?」と、突然叫ぶ。
事件の真相はこうだ。
子どもの頃から地味だった蟻場は、周囲の人に「面白くない」といわれ、それがトラウマになっていた。なんとか面白い人間になろうといろいろなことをやってみるがちっともうまくいかない。
ならば目立ってやろうと会社の金を横領してみるが誰も気づいてくれないし、交際中のカブ子さえも蟻場と交際していることを他人に公表しようとせず、ひた隠しにしていた。
面白くなるには、目立つためにはどうしたらいいのか――さらに、蟻場は考えた。
そこで思いついたのが殺人事件だったのだ。殺人事件を起こし、その完璧なアリバイを名探偵が解き明かしたとなれば、きっと多くの人から注目をされて面白い人間だと思われる、蟻場はそう考えたのだった。
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キャスト
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植松慶太 / 入江甚儀(いりえじんぎ)
天下一行きつけのカフェで働いている店員。・・・
藤井茉奈 / 香椎由宇(かしいゆう)
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