ヴォイス〜命なき者の声〜
[第6話]
02/16放送

今回は遺体ではなく生きている患者さんを調べることになる。
佐川教授(時任三郎)から、「生きている患者を診る」と聞いて驚く法医学教室のゼミ生たち。
じつは、亮介(生田斗真)の父親・貴之(名高達男)が経営する病院からの依頼なのだ。

「ミュンヒハウゼン症候群」が疑われる入院患者がいるので、意見書の作成してほしいというものだった。ミュンヒハウゼン症候群とは、自ら症状を作り出し、通院や入院を繰り返すもので、他人の関心を引きたいことが根底にあるらしい。「ミュンヒハウゼン症候群とは、人の寂しさが生み出した症例じゃないかな」佐川教授はいう。
大己(瑛太)、亮介(生田斗真)佳奈子(石原さとみ)、哲平(遠藤雄弥)、羽井彰(佐藤智仁)は興味津々だ。

患者は女子中学生の朋子(志田未来)。何日か前に兄の泰人(石田卓也)に付き添われ、救急車で搬送された。朋子を診察した主治医の話では、初診で偽膜性大腸炎が疑われたが、血液検査では特に異常が見られなかったという。

朋子は、半年前から何度も大腸炎で腹痛を訴え、その都度、通院し薬を飲んでいるはずなのに、症状が改善するどころか悪化していると話す。
しかし、亮介は実際に朋子と面会して話もしてみたが、明るい女の子が他人の気を引くために病気になっているとは信じられなかった。

そんなある日、佳奈子の弟が東京に遊びにくる。大阪の料理店で働いているが「休日を利用して東京のお店を食べ歩く」のだと言う。4年ぶりの再会なのに佳奈子はそっけなかった。

大己がそのことに触れると、佳奈子は「元気でやっているならそれでいい」と言う。でも、そこにはちゃんとした兄弟愛が感じられた。

一方、朋子の血液のデータ解析をした蕪木誠(泉谷しげる)は、偽膜性大腸炎を発症できるというペニシリンを見つけ出す。糖尿病でもない中学生がペニシリンを入手するのは難しい。そこで浮かんできたのが、薬科大学に通っている泰人だった。

いろいろと調べてみると、朋子が体調を崩すのは決まって泰人が休みの日だった。さらに、過去に2回、大学からペニシリンが紛失していた事実も浮かんできた。兄による妹の虐待だった…。

一番はじめに朋子が病院に運ばれたとき、泰人は看護師さんからとても優しい言葉をかけられた。それまでは朋子からの「ありがとう」の言葉を聞くだけで満足できたのに…。泰人は、朋子を計画的に病気にさせて、周囲の同情を得ていたのだった。

じつは、朋子は泰人が食品に薬を入れていることをうすうす感じていたのだ。自分が体調を崩すときに必ず兄がそばにいる。それでもいいと朋子は思っていた。

結局、泰人は東京を離れて地方の施設に入所することに。朋子は児童保護施設に保護されることになる。

「なんで私たち離れ離れにならなきゃいけないの!?こんなことして誰が幸せになるの!」朋子は大己に思いをぶつけた。
「誰かの力になれる人ってさ、ちゃんと自分の為に生きている人だと思うんだよね」「自分を傷つけてまでお兄ちゃんを支えるのは優しさじゃないよ」大己は朋子に諭すように話しかけた。

大己の言葉は、朋子の心にしっかりと響くのだった――。


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キャスト
加地大己 / 瑛太(えいた)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。・・・
石末亮介 / 生田斗真(いくたとうま)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。・・・
久保秋佳奈子 / 石原さとみ(いしはらさとみ)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。・・・
夏井川玲子 / 矢田亜希子(やだあきこ)
東凛大学の助教授として法医学教室を担当し・・・
佐川文彦 / 時任三郎(ときとうさぶろう)
東凛大学の教授として法医学教室を担当して・・・
桐畑哲平 / 遠藤雄弥(えんどうゆうや)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。・・・
羽井彰 / 佐藤智仁(さとうともひと)
東凛大学の医学部に所属する4年の大学生。・・・
大和田敏 / 山崎樹範(やまざきしげのり)
南府中署に勤務する刑事の男。彼が担当する・・・
石末貴之 / 名高達男(なだかたつお)
亮介の父親で、自身が経営する石末総合病院・・・
羽井鳳子 / 濱田マリ(はまだまり)
彰の母親で、普段は沖縄料理店「ちゅらちゃ・・・

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