【訃報】中村勘三郎急性呼吸窮迫症候群死去 食道がん手術成功し復帰目指すも
(12/05)

歌舞伎俳優・中村勘三郎(なかむらかんざぶろう)氏が5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため、東京都文京区の病院で死去した。57歳だった。
葬儀・告別式の日程、喪主などは未定。

中村氏は今年6月に初期の食道がんであることが発覚。
その際、マスコミに宛てた書面では、
「57歳の誕生日会でドンチャン騒ぎをした後のことで私自身も大変に驚いちゃいました。
新たに与えられたこの試練に立ち向かい復帰に向けて治療に専念いたします!
一日でも早く元気な姿をお見せできる様に!」
と元気な様子で復帰を誓っていた。

7月27日に食道がんの手術を行い、術後の経過も順調で病院内を歩くほどに回復していたという。
しかし、治療中に肺炎を発症。
その後、肺炎による呼吸器不全が進行してしまったそうだ。

中村氏の家族は、今回の件を書面で報告し、
「肺炎による呼吸不全は思いの外、重症であり、呼吸不全に対する専門的な治療を行える病院へと、二度にわたり転院をし、考え得る最高の治療をして頂きました。
本人も病気に立ち向かい、手術から約4か月に及ぶ闘病が続きました。
けれども遂に、回復する事は叶わず、無念の内に、本日12月5日午前2時33分、急性呼吸窮迫症候群のため永眠いたしました」
とコメント。
悔しさをにじませている。

急性呼吸窮迫症候群(きゅうせいこきゅうきゅうはくしょうこうぐん)は、ARDSとも呼ばれる。
術後、輸血の後などに発症する合併症だ。
呼吸不全のため、頻呼吸や、呼吸困難、チアノーゼ、頻脈などを引き起こす。
発病してしまうと死亡率が40〜60%にも及ぶ場合がある。

中村氏は十七代目中村勘三郎の長男として生まれ、五代目勘九郎として3歳で初舞台を踏んだ。
2005年には十八代目勘三郎を襲名。
歌舞伎の世界にのみならず、映画『真夜中の弥次さん喜多さん』や、『元禄太平記』『武田信玄』『元禄繚乱』などのNHK大河ドラマにも数多く出演していた。
来年4月2日に開場する歌舞伎座のこけら落とし公演に出演することを心のよりどころにして闘病生活を続けたが、ついに帰らぬ人となってしまった。(石森)


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