傍聴マニア09
[第8話]
12/10放送

今回森夫(向井理)たちが傍聴したのは、自殺幇助の事件だ。

被告人・根府川省造は、妻・雅子と一緒に鴨居に紐をかけて首を吊ったのに、自分だけ生き残ってしまったのだった。ロープを結んだのが省造だったことから、彼に自殺幇助の罪がかかっているのである。

省造は犯行の動機を、妻が「一緒に死んでくれる?」と言われたからだと供述した。「私は妻と共にずっと生きてきました。妻がそう望んだなら、それに従おうと思ったのです」省造は言った。

死にたがったのは妻のほうなのに、罪に問われているのは夫のほう…。

ところが検察官によって驚くべき事実が明らかにあった。なんと雅子は1000万円もの借金をしていたというのだ。省造はそれを知らなかった。知らなかったというより…知ろうともしなかったのである。

省造と雅子は、銀座のバーで知り合った。雅子はホステスで、省造はボーイだったという。けんかばかりしていた省造に雅子は優しかったそうだ。漢字の読めない省造に雅子は漢字を教えてあげたりした。

やがて2人は恋に落ち、結婚し、幸せな家庭を築く。

ところが、2人は子供に恵まれなかった。子供を望んでいた雅子はだんだんと荒れていったという。それでも省造は雅子と生活できるだけで幸せだったという。

雅子は自分の指輪を買うために、大変な借金をしたのだった。

「自分の指輪を買うために借金をしたんだろ?愛がなかったってことだよ」山野(六角精児)はそういうが…。

「どうして奥さんの後を追わなかったんですか」という問いに、省造は「それは、妻が私のロープをあらかじめ弛めていたからです」と答えた。それを聞いた傍聴席はざわつく…。

じつは、雅子は手紙を残していたのだ。その手紙には、省造を想う気持ちが書かれていた。漢字が読めない省造のために、全ての漢字にふり仮名がふってあった。

省造は雅子を愛していたから、彼女が「死ぬ」と言えば従おうと想った。雅子も省造を愛していたから、省造を道連れにしてはいけないと思った…。

裁判官は、妻のいない世の中をどのように生きていくのかと省造に問う。すると省造は、雅子が好きな花を育てていくと言った。

判決は、実刑2年。執行猶予5年――。

この裁判を傍聴して、森夫は、初めて、僕ならどう判決を下すだろうと考えた。

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キャスト
北森夫 / 向井理(むかいおさむ)
26歳、今時のフリーター。優柔不断で流さ・・・
織田美和 / 南明奈(みなみあきな)
20歳、司法試験目指して勉強中の大学生。・・・
山野鳥夫 / 六角精児(ろっかくせいじ)
熱☆烈な傍聴オタクである。持ち歩いている・・・

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