任侠ヘルパー
[第5話]
胸に刻まれた刺青を晶(夏川結衣)に見られた――。08/06放送
休憩室で彦一(草なぎ剛)はリコ(黒木メイサ)に打ち上げる。リコは「昌は倒れたのだから」と言い、絶対に他言しないように彦一に忠告する。
その頃、昌は病院に運ばれていた。意識を取り戻した昌は涼太(加藤清史郎)や周囲の心配をよそにすぐに仕事に戻る。
「タイヨウ」では、恒例の地域交流会の出し物を決める話し合いをスタッフと入居者、全員で話し合っていた。結局、例年通り、合唱に決まったとき、小澤義男(上田耕一)という男性が緊急入所で運ばれてくる。
妻が介護疲れを苦に自殺未遂を起こし病院に運ばれたため、臨時対応の入所だった。妻の名前はサクラ(賠償美津子)という。
義男(上田耕一)は「タイヨウ」のベッドに横になるなり、妻の名前を大声で何度も呼び始める…。
零次(山本裕典)、彦一、リコは、病院に入院するサクラを訪ねた。
今回の入所は臨時の処置であり、さくらが退院したら引き続き義男の介護をして貰うためだ。
しかし、サクラは義男の介護を拒否する。そして義男の面倒をずっと「タイヨウ」でみてほしいと話した。
すると彦一が突然怒鳴り始める。「この女に介護はできない」「今回もまた逃げるんだろう」と…。そんな彦一の姿に、サクラは「彦一!? 」と声をかける。
彦一は病室を飛び出した。
サクラは彦一の実母だった。彼女は28年前、幼い彦一とアルコール中毒の父を残して、男と駆け落ちしたのだ。「必ず迎えに来るからね」サクラの言葉が虚しく思い出された。
早々に退院したサクラは「タイヨウ」にやってくる。
「しばらくの間、義男と一緒に入所して世話をしたい」というサクラの申し出に許可が下りた。
ヘルパーとして働く彦一にサクラは声をかけたい様子だったが、結局、声をかけられずにいた。
そんなある日、昌が「タイヨウ」にやってくる。「見たのだろう?」と凄む彦一だったが、昌は彦一が何の事を言っているのかわからない様子だった。
その日の夕食で、昌は涼太の大好きなグラタンを作る。
「大好きでしょう?たくさん食べなさい」という昌の言葉に涼太は戸惑っていた。
「タイヨウ」で夫の介護をするサクラは夫に献身的だった。夫の義男はサクラに頼りっぱなしで、「こんな調子では共倒れになるのでは?」と雅人(夕輝壽太)は言葉を漏らす。
ある日、彦一の所に涼太がやって来た。涼太は彦一に、晶が2日連続でグラタンを作ってくれたことを話すと、「ママ、病気なのかな」と泣きながら訴えた。
しかし彦一は今、自分のことで精一杯。涼太を冷たく突き放した。
いよいよ恒例の地域交流会が迫っていた。
入居者とヘルパーたちは、出し物の歌の練習に大忙しだ。
そこへ車椅子に乗った義男を連れてサクラが見学に来る。
すると彦一はサクラに向かって「介護が嫌で自殺未遂したのに、これみよがしに夫の世話をしていい人ぶっているんじゃねえ!」「子どもを捨てて、自分はどれだけ男と楽しい人生を送ってきた!?」と凄んだ。周囲が必死に彦一を制止するなか、サクラは彦一の頬を平手で打った。
彦一はその場を飛び出した。
施設を飛び出す彦一を車で施設にやっていた昌が見つける。
彦一とサクラのことを知る昌は、海岸までついていくと、「親に捨てられたお返しに、今度は親を捨てるの?」と声をかけた。
そして自分の経験を語り始める。昌は自分の親を捨てたという。しかし、息子・涼太に嫌われた今、子どもに捨てられる親の気持ちがわかるという。
「どんなにこじれても親子は親子だ」昌は優しい言葉で彦一に言葉をかけた。
彦一と昌のやりとりを陰で涼太が聞いていた。
タイヨウに戻った彦一が小澤の部屋の前にいると、中で何かが大きな音が…。ドアを開けるとサクラがその場に倒れていた。
彦一はサクラを背負うと、近くの診療所に走るのだった。
診察の結果、サクラが倒れた原因は過労だった。
点滴をしてベッドに横たわるサクラは彦一に「ずっと謝りたかった」と言葉をかける。
サクラは家を出てからずっと彦一を迎えに行こうと思っていた。しかし、サクラ自身が入退院を繰り返すうち、迎えにいけなくなってしまったという。
体が弱ったサクラを献身的に支えたのが、義男だという。
一度は介護から逃げようとしたサクラだったが、彦一に会えたことで「これからも義男とやっていこう」と思えたと話した。
「タイヨウ」に戻った彦一は、義男のところにいた。肩を貸してトイレの介助をする彦一に、義男はサクラを奪ったことを謝る。
トイレのカーテンを閉めると、彦一は義男に母を支えてくれたことを感謝した。
「これからも母を宜しくお願いします」彦一の精一杯の言葉だった。
さくらと義男は二人で入所できる施設が見つかり「タイヨウ」を出て行った。
「地域交流会」には涼太も一緒に参加していた。
そこにやってきた昌。昌の姿を見つけた涼太は昌の手を引くと一緒に歌を歌い始めた。
昌も嬉しそうだった。
昌は自宅に戻るとパソコンで何かをチェックしていた。
それは「若年性認知症」と書かれている。診断の結果は…「若年性認知性の疑いあり」だった…。
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キャスト
翼彦一 / 草なぎ剛(くさなぎつよし)暴力団組織「隼会」の六本木地区をまとめる・・・
四方木りこ / 黒木メイサ(くろきめいさ)
死んだ兄に代わって、「隼会」池袋地区貸元・・・
七海和樹 / 向井理(むかいおさむ)
六本木地区貸元翼興業の構成員で彦一の舎弟・・・
和泉零次 / 山本裕典(やまもとゆうすけ)
介護施設タイヨウのヘルパー。任侠ヘルパー・・・
鷹山三樹矢 / 薮宏太(やぶこうた)
「隼会」本家・鷹山組構成員。鷹山源助の息・・・
美空晴菜 / 仲里依紗(なかりいさ)
「タイヨウ」に勤務する新人ヘルパー。目指・・・
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