サッカー･松井大輔出演の｢情熱大陸｣が再注目! 本音連発のOA全貌を公開!

サッカーフランス1部リーグのリーグ･アンに2009-2010シーズンまで属していたグルノーブル･フット38に所属している日本代表メンバーでもある松井大輔｡

日本代表選手の中でも異彩を放つほど抜群の才能･センスを備え持ち､今や日本代表に欠かせない存在となっているが､その松井大輔が2月8日に放送されたTBS系『情熱大陸』に出演した｡ル･マンからサンテティエンヌへ移籍した彼に待ち受けていたものは､高く厳しい壁だった｡それを越えるまでのドキュメントを振り返っていこう｡

カメラが松井大輔を追い始めたのは2008年｡約4年間所属したル･マンから新天地･サンテティエンヌへ移籍が決まり､新居を探している頃だった｡

フランスに移住して5年目になる彼にとって､もうフランス語での会話も苦ではない｡
家探しも､本人が大切にしているという"ひらめき"で新居を決めていく｡

ル･マンを2部リーグから昇格させた立役者は､
｢自分が意図的にやってないから相手も(どんなプレーをするか)分からない｣と語り､自分の雰囲気を大切にしているという｡

また､現在の日本代表について
｢どうしても海外選手とのフィジカルコンタクト(体をぶつけ合うプレーのこと)になると弱い｡だからそれを補うために何が必要か｡一人一人がもう1ステップ上げられればチーム力は上がる｡｣と分析｡自分が上にいくには壁が必要だと話していた｡

その壁を求めて､松井大輔は名門クラブチーム･サンテティエンヌへ移籍する｡
移籍当初はル･マンでの活躍が評価され期待が高かったが､思うような結果が残せず､メディアからは"贅沢な補欠"と批判され､今期ワースト移籍ランキング2位に選ばれてしまう｡

松井大輔のポジションは有力3選手が競っており､期待度は高いものの激しい凌ぎ合いが待っている｡
ホーム開幕戦で松井大輔は後半早々から出場｡課せられた役割は､チームのストライカー･ゴメスへのラストパスを出すこと｡
彼がビッチに立つとスタジアムからは｢マツイ!!｣コールが鳴り響く｡

だが､幾度はボールをキープしゴメスへのパスを出すものの呼吸が合わずゴールに結びつかない｡
状況を打破しようと自らドリブルで持ち込みらシュートを放つが決まらず｡このプレーは監督が理想とする組織的なプレーとも大きく逸れていた｡
この1試合で､監督は｢松井にはガッカリ｡期待ハズレ｣と酷評｡信頼を失うこととなったのである｡

監督と大きな溝を空けてしまった松井大輔は､個人技を封印してチームに溶けこむしかなく､自らの練習後もチームメンバーの癖や動きを観察｡
座右の銘は｢"楽しく"｡僕の"楽しく"は､楽しくやるためには一生懸命やらなくてはならない｡人生に厳しく行かなきゃいけない時もある｡｣と話す｡

少年時代から今と変わらず圧倒的なポテンシャルを見せており､中学校の監督も松井大輔の個人技を楽しんでいたほど｡
それでも､日本代表戦での戦績は芳しいものではなかった｡
本人も､｢全くと言っていいほど満足していない｡自分らしさを出せてない｡｣
チームプレーを意識しなければいけないというのは､前々からの格闘だったと言い､かなり悩んでいる様子だった｡

サンテティエンヌがアウェイでの試合に途中出場した時も､パスは通らず､とうとう見切りを付けられ出場機会を失い､出場を直訴しても認められなかった｡
思うようなプレーが出来ない事について松井大輔は車中でのインタビューで､
｢わずか1cmとかのずれなんだけどね｡心かな｡自分って弱いな｡｣と弱音を吐く｡

そして､この高い"壁"を乗り越えるべく､チームを離れ別メニューでの練習を始めた｡
一人でひたすら地味なメニューをこなし､下半身の強化を図ったのだ｡
出場機会が減ったことにより複数チームから移籍のオファーがあったが､｢何もしないままこのチームを去りたくない｣と考え全て断ったという｡

その頃､日本からは日本代表に招集したいとの打診があった｡
日本では松井大輔への期待は常に高く､岡田ジャパンに必要不可欠な存在として名が挙げられていた｡
しかし､チーム側はコンディションが万全でないことなどを考慮し辞退を勧め､本人もこれを了承｡
日本代表チームへは合流しなかった｡

すると11月､チーム不振により監督が交代｡
これまでとガラッとシフトチェンジし､より攻撃的なサッカーを目指したことにより､松井大輔に求められるプレーもおのずと変わってきた｡

監督交代後迎えた､古巣ル･マンとの一戦｡松井大輔は先発出場｡これまでのチームプレーと個人技を悩んでいた彼はもういない｡
果敢にドリブル突破を試み､何度倒されても起き上がり､ボールに喰らいつく｡彼の決意が表れていた｡
ゴールを決めることは出来なかったが､自らのプレーが相手のファウルを誘い､フリーキックのチャンスを作り､見事得点に繋がった｡
監督も満足ではないようだが､松井大輔の個人技を評価していた｡

番組スタッフが｢今日ゴール決めるって言ってましたよね?｣と訊くと､｢本当申し訳ないッス｣と､どこか活き活きとした表情で話していた松井大輔｡
天才が､"壁"を一つ乗り越えた瞬間だった｡

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